物語
第十三話 かけがえのない

脚本:横手美智子 
絵コンテ:山村卓也 
演出:太田 稔、山村卓也 
作画監督:門脇未来、池田和美、丸子達就、角田有希

全ての《出会い》はあの弦音から始まった。
「再生」した風舞高校弓道部で、立ちはだかる試練をもがきながらも乗り越え、仲間との絆を深めてきた湊たち5人。
春が過ぎ、緑が深まる初夏――辿り着いた県大会決勝。弓道によって出会い、若葉のように成長してきた彼らが手にする未来とは――。

鳴宮 湊 役:上村祐翔

こだわったシーンはどこですか

決勝戦、湊が風舞のみんなの射をひとつずつ噛み締めて語るシーンです。
大前の海斗、二的の遼平、中の静弥、四的の七緒、そして落の湊。
誰か一人欠けたら成立しなかった風舞高校弓道部。
そんな大切な仲間の名前を呼ぶときは、これまでで最も丁寧に、万感の思いを込めるようにしました。

演出:山村卓也

こだわったシーンはどこですか

桐先高校との決勝戦のシーンです。
12話で「ただ弓を引けばいいんだ」という結論を出した湊達。
湊が海斗、遼平、静弥、七緒を感じながら弓を引くシーンは特に気合を入れてコンテを描きました。
静かに試合が始まり、富貴さんの音楽、弦音、的音と共に試合がだんだんと盛り上がって湊の最後の一射に向かう流れは見ていて本当に気持ちが良いです。

シリーズ構成:横手美智子

「もがく、青春!」シーンはどこですか

県大会が終わって、愁が湊を見つめるところに、この13本のお話のすべてがこもっていると思います。
湊たち風舞は勝ったから終わりではなく、むしろこの先、より困難や迷いがあると思いますし、愁はおそらく人生で初めて実力で押し負けるという経験をしたと思いますが、きっといっそう強く美しくなるでしょう。
「これまで」が終わり、「これから」が始まるシーンです。
シナリオ担当としては、愁に一言言わせるべきかとも思いましたが、山村監督とシナリオ担当の吉野弘幸さんのご意見で、愁の表情のみで行こうということになりました。
彼らの「これから」を応援してください。