物語

地元の公立高校・風舞高校へ入学した鳴宮湊。
入学早々、顧問のトミー先生から弓道部に勧誘され、
幼馴染の竹早静弥、山之内遼平は入部を快諾する。

とある思いから入部を断っていた湊だったが、
遼平に押し切られる形で弓道部の説明会へと足を運ぶと、
そこには如月七緒、小野木海斗らの姿もあった。

貴重な弓道経験者ということで、
トミー先生の指名によって湊は急きょ、
参加者の前で射を披露することになるが、矢は的には当たらない。
湊は弓引きにとって重大な病を抱えていた……。

湊、静弥、遼平、七緒、海斗。
弓道によって5人が出会い、
そして、美しくもビターな<青春>の中をもがき続けた先、
少年たちが手に入れたものとは――

第一話 少年は矢庭に

脚本:横手美智子 
絵コンテ:山村卓也 
演出:山村卓也 
演出補佐:太田稔
作画監督:丸木宣明、門脇未来

湊には、心捕らわれた音――「弦音」がある。
幼い頃に母と一緒に弓道を見て、たちまち魅了された湊は、
中学校で弓道部に入るが最後の試合で敗北。
その要因ともなった、ある「病」を抱えた湊は、弓道から距離を置くようになってしまった。
地元の風舞高校に進学しても、もう弓道はしないと言い張る湊だったが……。

鳴宮 湊 役:上村祐翔

「もがく、青春!」シーンはどこですか

自分の射が思うようにできず、早気が治っていなかったことを突き付けられたあとの自転車ダッシュです。

弓道にかける思いの強い湊だからこそ、悔しさ、情けなさ、もどかしさ、いろんな感情が渦巻いて、あの爆走につながったことを思うと胸がキュッと締め付けられます。汗が涙のように流れるのも印象的でした。

青春だなあ…。

演出:山村卓也

おすすめシーンはどこですか

「ツルネ ―風舞高校弓道部―」の一話のコンテ、演出を担当しました山村卓也です。

「ツルネ」はじまりました。
一話は鳴宮湊という少年が今どういう状態で何を思っているのか彼のドラマをどう描くかすごく悩みました。
やりたいことがあるのに出来ないというのはとても辛いことです。

おすすめのシーンはそんな湊が夜の夜多の森弓道場で月夜に照らされたマサさんと出会う神秘的なシーンです。
月明りに照らされた肌の綺麗さを撮影様に必死にお願いしたのは良い思い出です。
幻想的であり神秘的な湊の「一目惚れ」のシーンだと思っています。

彼を取り巻く静弥、遼平、七緒、海斗の「もがく青春」はまだ始まったばかりです。

静と動が織りなす弓道という競技の中で彼らがどういう青春を送るのかどうか最後まで温かい目で見守っていただけると嬉しいです。
以上 アニメーションDo 山村卓也でした。

キャラクターデザイン:門脇未来

こだわったシーンはどこですか

湊が初めて風舞弓道場に入ったところで、カメラがぐっと寄るカットです。
絵コンテを読んだときにこのカットで涙ぐんでしまったのですが、その気持ちをぶつけて湊の表情を描きました。
ラストのマサさんの表情にもこだわりました。
監督から「二話が楽しみになるようなカッコいいマサさんをよろしくお願いします」と言われ、手に汗握りながら描いたのを覚えています。
弓道シーンは言うまでもありません。

第二話 矢も楯も堪らず

脚本:横手美智子 
絵コンテ:山村卓也 
演出:藤田春香 
作画監督:明見裕子、高瀬亜貴子

湊が患っていたのは、「早気」という弓引きにとって恐ろしい病だった。
弓道部の説明会で射を失敗し、逃げるように学校を飛び出した湊は、
偶然辿り着いた夜多の森弓道場で、美しい弦音を響かせる謎の男・マサさんと出会う。
最初は警戒していた湊も、マサさんの快活な人柄に少しずつだが心を開きはじめ……。

竹早静弥 役:市川 蒼

「もがく、青春!」シーンはどこですか

湊と静弥がぶつかるシーンです。
湊にあえて辛辣な言葉を投げた静弥ですが、彼が抱えているものを知ると胸が痛みました。
後押しのつもりであっても傷つけたことに変わりはなく、それを十分に理解しているであろう彼だからこそ、その夜どんな想いで過ごしてどんな朝を迎えたのか…。
彼も湊を救うためにもがき続けているのだと思うと、輝かしいばかりではない青春にリアリティを感じました。

演出:藤田春香

「もがく、青春!」シーンはどこですか

静弥と湊の喧嘩シーンです。
湊の怒りは高校生の男の子らしさを大切にしました。
言い負かされて部屋のベット上でバタバタする湊も、もがいてる感をたいせつに。と、原画さんがとても頑張ってくださいました。

スーパーバイザー:武本康弘

こだわったシーンはどこですか

マサさんの代わりに最後の一射を射るシーンです。
思い通りにいかない射に対して、湊はどう思うのかな…ということを考え、こういう形はどうでしょうかと監督に提案してみました。
これからも湊を見守っていきたいなと思います。

第三話 出会いの矢先

脚本:吉野弘幸 
絵コンテ:山村卓也 
演出:武本康弘 
作画監督:角田有希

風舞高校弓道部へ入部した湊。
静弥と遼平、そして七緒は快く受け入れるが、海斗はころころと考えを変える湊を信用できないと突っぱねる。なんとか海斗との距離を縮めようとする湊だったが……。
新生・風舞高校弓道部に、いきなり嵐の予感!?

山之内遼平 役:鈴木崚汰

こだわったシーンはどこですか

海斗へ心中を打ち明けるシーンです。
このシーンでは、普段明るく穏やかな表情をしてることの多い遼平が真剣に訴えかけていました。
なのでどこまでシリアスな雰囲気に寄せていいのかが難しかったのですが、湊への尊敬、そして自分の好きな人達が一つになってほしいという気持ちを軸に真っ直ぐに思いをぶつけようと意識しました。

演出:武本康弘

こだわったシーンはどこですか

弓道に関するシーンには話数全体を通して気を配りました。
様々ある武道の中でも、特に礼儀と作法に厳しいというイメージがありますので、教本を見たり、経験者の意見をもらいながら仕上げました。
背筋がピンと伸びる感じがありました。

美術監督:落合翔子

こだわったシーンはどこですか

シーンというか舞台全体になるのですが、取材させていただいた街から見える山の青さや澄んだ空気、スケールにとても感動してなんとかこれを彼らが住む町にも再現したい!と、街の姿形だけでなく空気感にもこだわって描かせていただいています。

学校の大胆に光が差す明るくてやわらかい雰囲気もすごく素敵に仕上がっておりますので、ぜひそのあたりも楽しんでいただけると幸いです!

第四話 合わない筈

脚本:横手美智子 
絵コンテ:澤真平 
演出:澤真平 
作画監督:丸子達就、明見裕子

少しだが湊のことを信用するようになった海斗。マサさんをコーチとして迎え、風舞高校弓道部は県大会予選を突破するために合宿を行うことになる。
その直前、部内で模擬試合が行われ、なんと負けた方は合宿中「○○」として過ごすことに!? 何とか回避しようと試合に臨む5人だったが……

小野木海斗 役:石川界人

「もがく、青春!」シーンはどこですか

この話数は「全体的にもがいている」と思いながら演じさせていただきました。
湊が入部して、自らの思い描いた形にならなかったことで、上げた拳を下ろせないという状況になっていると思います。
ただ心の奥底から拒否しているわけではなく、どこか受け入れるべきであるということも彼は分かっているのだと感じました。
そういった葛藤はルーシーとのシーンに出ていると思いました。
言葉じゃないと、言っていることはわからない、という気持ちがこもっているのではないかなと僕は思っています。

演出:澤 真平

こだわったシーンはどこですか

4話のこだわったシーンといえば、やはり全員が初めて試合形式で弓を引くところ。その所作には悩まされました。
弓道の世界というのは調べれば調べるほど奥が深く、立ち上がる動作や歩く動作一つとっても非常に繊細かつ丁寧な演技をさせなければなりません。
指の一本一本まで心を込めて、弓道という武道にむきあう気持ちで演出させていただきました。
こだわった点であると同時に、もがく青春!なポイントでした。

3D美術:篠原睦雄

こだわったシーンはどこですか

3D美術を担当します篠原です。
背景で立体的な動きを必要とするシーンやカットについて2Dと3Dを組み合わせて画面を作り上げていきます。
矢がシュパッ!と飛んでいく所や、ぐりんっとカメラが動く所など様々な演出に応えます。
3Dになった時に如何に違和感の無いよう表現していけるのかが目標でありこだわりです。
弓道という馴染みの無かった武道について知らない事がたくさんありました。弓一つみても複雑です。道場内のあらゆる構造物や小物についても、資料をみたり経験者に聞いたりと都度勉強しながら描き、作っています。

第五話 矢の使いで

脚本:横手美智子 
絵コンテ:石立太一、藤田春香 
演出:小川太一 
作画監督:池田和美、角田有希

部内試合に負け、栄えある「下僕」となった湊たち男子5人。
朝早くから境内の掃除に勤しみ、食事の用意もして……。って弓道の練習は!?
練習ができないことに不満を覚える5人だったが、どうやらトミー先生とマサさんには狙いがあるようで……。

如月七緒 役:矢野奨吾

おすすめシーンはどこですか

風舞弓道部の合宿回になります。
七緒が初めて「湊」と呼んだのが、この5話です。
そのきっかけになったのが、いつも七緒が身につけている帽子です。
七緒にとってその帽子がどれだけ大切なモノか、そしてどれだけ海斗の事を大切に想っているかがよく分かるシーンがあります。
何気ない言葉の中にたくさんの想いが散りばめられています。
みんなの距離が次第に近づいていく合宿回、個人的に大好きな話です。
お楽しみいただけましたでしょうか!

演出:小川太一

おすすめシーンはどこですか

みんなでお使いに出かけるシーン。冒険に出かける少年たちという感じでワクワクします。
出かけてすぐの階段を降りる5人のカットなども少し豪華に3D処理をお願いしてインパクトを出したり、フレア処理を少し強めにかけてもらい前のシーンとのギャップを意識したりと少しこだわってみたシーンです。
そして、早くお使いをすませて練習させてもらうつもりが、ビショビショになって帰った時には夕方になってるというオチもお気に入りです。

色彩設計:秦あずみ

こだわったシーンはどこですか

色彩設計を担当しております、アニメーションDoの秦です。

5話では特に、ラストシーンで初登場する風舞高校弓道部の部活ジャージの色にこだわりました。

「ツルネ」は若葉や風を感じる爽やかな緑色がテーマカラーの作品です。
そんな要素も込めつつ、風舞メンバーみんなに似合う、風舞高校弓道部らしい色…というのを模索していって、今の配色に落ち着きました。

弓道具などの小物でも、ゆがけの巾着、弓の握り革、矢の矧ぎ糸などなど、細かいパーツ一つにおいても各キャラクターの“らしさ”を表現していけるように色を作っております。
その辺りも注目しつつ、今後の話数も見ていただけると嬉しいです!

第六話 弓引く理由

脚本:横手美智子 
絵コンテ:山田尚子 
演出:山田尚子 
作画監督:高瀬亜貴子

弓道の強豪校・私立桐先高校。そこには「貴公子」と呼ばれる射手・藤原愁がいる。
高校1年生とは思えない風格のある射は、腕に覚えのある上級生たちをも圧倒する。
それは、県大会予選出場メンバー選抜の校内試合でも変わりなくて……。

滝川雅貴 役:浅沼晋太郎

おすすめシーンはどこですか

おすすめのシーンでもありこだわりのシーンでもあるのですが、マサさんとトミー先生のサシ飲みシーンは大好きです。
高校生たちのさわやかなもがきとは少し違う、大人ならではのもがき、静かな葛藤、心の交わし合いがなんともいい雰囲気で繊細に描かれていて、「こんな感じに身の上話が出来る間柄っていいなあ」と感じました。
このシーンを見て、誰かに悩みを話してみようかな、と思ってもらえたら幸せです。

演出:山田尚子

「もがく、青春!」シーンはどこですか

「復讐」と言ったマサさんの思いを肯定するトミー先生。
話の本質を理解し、愛情を持って受け入れてくれたトミー先生にマサさんはなんともむず痒い思いをしただろうなぁ…。と思います。
もがきながら走り出した風舞のみんなを支えるマサさんもまた、もがいているんだなぁと、マサさんの中にある大人と幼さが交差する部分にとても感じ入ったシーンでした。

特殊効果:三浦理奈

こだわったシーンはどこですか

作品全体の話になりますが、弓道具の質感にはこだわっています。
弽の汚れ、擦り切れ方も癖や経験の長さで違っています。
特殊効果だけでなく皆のこだわりが集まって良いものになっているのではないかと思います。
弽(ゆがけ)の読み方すらわからないところからのスタートで、毎日が勉強です。
6話に関しては居酒屋メニューにもこだわりました。
実際に作ってみたりして。美味しかったです。

第七話 再、会

脚本:吉野弘幸 
絵コンテ:北之原孝將 
演出:北之原孝將 
作画監督:岡村公平

いよいよ開幕した、県大会予選。この予選で上位に入らなければ、県大会へは進めない。
風舞高校弓道部にとっては初の公式試合。会場へやって来た湊たちは、桐先高校の愁たちと遭遇して、早くも一触即発の雰囲気に!?

藤原 愁 役:小野賢章

こだわったシーンはどこですか

最初の登場のシーンです。
イギリス人の祖父を持ち、貴族の血を引く家系で、周囲からは「貴公子」と呼ばれていて、めっちゃ強い。
スペックが高すぎる!!
第一声の印象がとても大事なので、かなり悩みました。
音響監督の鶴岡さんに「(普段の小野さんは)ストリート系だと思うけど、育ち良くやってくれ」と言われたのが印象に残っています。笑

演出:北之原孝將

おすすめシーンはどこですか

海斗の悔しがるさまを目の当たりにする湊です。
愁の卓越した姿を見せられた後、不器用でも純粋に勝ちにこだわる海斗の姿を見せられます。
湊の目には、眩しく、美しく映ったに違いありません。
互いの成長に繋がる友情は、自身の壁を打ち砕くきっかけになると思います。

小物設定:唐田 洋

おすすめシーンはどこですか

小物設定を担当しています唐田です。
小物設定としてのおすすめは、ライバル校である桐先の強豪校ならではの共通の部活カバンに対して、風舞はバラバラのリュックサックなのが休部明け感が醸し出されていて、いい対比になっているのが好きなところです。
が、7話としてのおすすめはやはり初めて登場する大会のシーンです。
個人戦ではあるのですが桐先の実力と風舞の現状がよくわかるおすすめのシーンです。

第八話 矢を向けて

脚本:吉野弘幸 
絵コンテ:石立太一 
演出:太田 稔 
作画監督:明見裕子、池田和美

初めて挑む公式試合の団体戦。前日の個人戦で調子を崩した海斗だったが、やる気は十分。湊も愁の射を久しぶりに見て、奮い立っていた。
緊張している遼平にいつも通り気楽そうな七緒と冷静な静弥。
いざ試合開始!……と思いきや、開始直前に射順が変更され、同組はまさかの――!?

山之内遼平 役:鈴木崚汰

おすすめシーンはどこですか

湊と七緒の会話シーンです。
海斗にファッションで弓を引いていると言われた七緒ですが、七緒の中にもしっかり軸があって強い想いがあることがわかります。
そして、何故弓を引いているのか、真剣にさせるものは何なのかという一言で、湊が弓を引く理由を思い出させる大切なシーンでした。

演出:太田 稔

「もがく、青春!」シーンはどこですか

試合会場の裏にある林の中で、海斗たちが葛藤するシーンにこだわりました。
不器用にもがく海斗と、器用さゆえに悩み、強くあろうとする七緒。
七緒と対峙する湊。
湊のことを気に掛け続けるも、またも湊の心のモヤを晴らしたのは自分ではなかったことにこっそりしょげる静弥…。
少年たちの心の揺れ動きを表現すべく、リテイク、調整を繰り返し、原画スタッフには大いに頑張ってもらいました。
湊たちが成長していく姿を皆様に上手く伝えられていれば幸いです。

撮影監督:船本孝平

おすすめシーンはどこですか

撮影監督を担当しています、船本です。
この作品としては、風の表現や弓道シーンに力を入れています。
動作、質感、陰影の美しさなど細かく拘っている部分があります。
8話でも弓道シーンは綺麗に魅せる事が出来る箇所が多く、湊には特に、細かい処理を入れています。
今後の話数も見所がたくさんありますので、楽しんでいただければと思います。
よろしくお願い致します。

第九話 明かせぬ手の内

脚本:横手美智子 
絵コンテ:河浪栄作 
演出:河浪栄作 
作画監督:西屋太志、岡村公平、池田和美

なんとか予選を突破し、県大会へ出場することになった風舞高校弓道部。
県大会に向けてチーム全員が一丸となって猛練習中! と言いたいところだが、熱が入りすぎて、あわや空回り。
そんな中、静弥はどこか心ここにあらずといった様子で…。

如月七緒 役:矢野奨吾

こだわったシーンはどこですか

9話では、七緒の提案で女子部員も誘って県大会予選&本戦の反省対策会議が開かれます。
女子と喋りたいだけ?と思われてしまうかもしれませんが、彼なりに風舞弓道部のことを考えての行動だったんだろうと僕は思っています。
チームの絆を大切にしている「ムードメーカー」としての七緒を、皆さんにも感じていただけていたら嬉しいです。

演出:河浪栄作

おすすめシーンはどこですか

「子供の頃心を射抜かれ、そしていま、気持ちが揺れて現実の的を射抜けなくなる」っていう切なさ。もがき。
湊と静弥、その関係性の起源を巡るお話。

個人的にちびっこ静弥がかわいい回でした。オススメしておきます。何かを真っ直ぐに見つめる視線に惹かれます。
交錯する心と心、貫かれる一途な想い。静弥の心に降り注ぐ冷たい雨。
静弥をはじめとした弓道男子たちの明日はどうなる!?
楽しんで頂ければ幸いです。

3D監督:山本 倫

おすすめシーンはどこですか

3D監督を担当している山本です。
各シーンの情景を表現する為のモブや車の3D、立体的なカメラワーク等が、作画と上手く馴染むように試行錯誤して作っています。
『ツルネ』では、弓引きの3Dモブ等も出てきます。
3D制作のメンバーには弓道経験者がいるので、その経験を生かして所作や弓を引くアニメーションを作ってもらっています。
そのおかげで弓道場の空気感を上手く表現できているので、おすすめです。
弓道経験者の方にも違和感なく楽しんで頂ける様、勉強しながら作っていますので温かい目で彼らを見守って下さい。

第十話 離れぬ心

脚本:横手美智子 
絵コンテ:武本康弘、山村卓也、藤田春香 
演出:武本康弘 
作画監督:角田有希

雨に打たれたせいか、熱を出して学校を休んでしまった静弥。
4人で練習する湊たちだったが、県大会予選突破の勢いはどこへやら。部長不在のせいか、些細なことでギクシャクし始める……。
それを心配した妹尾たちがマサさんに相談したところ、彼には「奥の手」があると言う……。

竹早静弥 役:市川 蒼

おすすめシーンはどこですか

過去の事故をずっと内に抱えていた静弥が湊に救われたシーンです。
上村さん演じる湊の「待つよ」という言葉には、静弥をまるごと包んでくれるような温かさがあって、アフレコ中に思わずこちらが泣いてしまいそうでした。
雨が降るたびに、静弥はあの日の事故を何度も何度も思い出しては深く苦しんでいたのだろうと思います。
これからはそれが少しずつ少しずつ減っていって、ようやく彼は彼らしく生きていけるのだなと感じました。
よかったね、静弥。

演出:武本康弘

こだわったシーンはどこですか

歩道橋の上で静弥が湊と相対するシーンです。
熱に浮かされているからこその、普段とは違う、隙のある静弥が描けました。
普段からずっと背伸びをして頑張っていて、本人も気づかないうちにその状態が当たり前になっていたのだと思います。
こんな時くらいは、弱音を吐いてもいいのだと思います。

メイン動画検査:松村元気

おすすめシーンはどこですか

弓道場でトミー先生とマサさんが話をするシーンです。
床への映り込みや夕景の色が綺麗なのはもちろんですが、二人が話す内容に深さを感じました。
湊達の成長だけではなく、マサさんの成長も描いているというのが見て取れるシーンです。
マサさんが話すことに対して「分かる!」と同調する部分や、「問い」に対しての考えなど、このシーンを自分に重ねて観ていたので特に印象に残っているのかもしれません。

第十一話 空筈の痛み

脚本:吉野弘幸 
絵コンテ:澤真平 
演出:澤真平 
作画監督:丸子達就、岡村公平

憑き物が取れたように、以前よりも明るい表情をみせる静弥。
他のメンバーもそれを感じているようで、あとは県大会に向けて練習あるのみといったところ。
しかし今度はマサさんが浮かない表情を見せ始める。
ある日、湊が弓道場に忘れ物を取りに行くと、トミー先生とマサさんが何やら深刻そうに話し込んでいて……。

滝川雅貴 役:浅沼晋太郎

おすすめシーンはどこですか

動揺あり、嫉妬あり、苦悩あり、緊張あり、躊躇あり、後悔あり…。
キャラクターたちの色々な心の動きがこれでもかと表現されている、みどころ満載のお話です。
個人的には、いつも飄々としていながらとても頼りがいのあるマサさんが、みんなから背中を押されるシーンが好きです。
そして衝撃のラスト…!目が離せません!

演出:澤 真平

おすすめシーンはどこですか

11話のおすすめシーンはやはり夜のサービスエリア。マサさんが今まで見せてこなかった弱い部分を、はじめて湊に打ち明けるシーンです。これまでマサさんがどんな思いで弓道部を見守ってきたのか、あらためて見るとまた違った側面があらわれてくると思います!
特に照明、人物や背景にどういった光をあてるか、の部分には力を入れました。キャラクターが立っているだけでも、光の当たり方ひとつで様々な感情が見え隠れします。それをどうコントロールするかは演出の見せ所! こだわってます!

編集:重村建吾

おすすめシーンはどこですか

11話は全編における会話劇の上手さ(唐辛子うどん)を楽しむ話数ですが、作品としては、やっぱり各キャラクターの弓引く所作の美しさでしょうか。
サッカー、野球等、動のカット割とテンポで魅せるのではなく、静の動作です。
シーンの間を取るのも難しいんです! その誤魔化しが利かない作画(線の美しさ)に毎話数感動しております!
作画への信頼度が最高だからこそ取れる編集としての間がたくさんある作品です。
本当に助かってます。ありがとうございます!

第十二話 五本の矢

脚本:吉野弘幸 
絵コンテ:山田尚子、小川太一 
演出:小川太一 
作画監督:池田和美、明見裕子

マサさんが事故に遭った――。
蓮からの知らせに動揺する風舞高校弓道部。
マサさんのことが気がかりで、これから始まる試合に集中できていない男子たちを女子が一喝。
試合に向けて頭を切り替えようと努める湊たちだが、そう簡単にできるはずもなく……。
試合に向かう5人の背中をトミー先生は心配そうに見守るのだった。

小野木海斗 役:石川界人

「もがく、青春!」シーンはどこですか

小野木海斗を演じています、石川界人です。試合が終わってマサさんとの電話のシーンは青春だと感じました。
弓道は、心の平静さが重要な競技とはいえ、大事な人に何かがあれば人間どうしても気になってしまうと思います。
試合の緊張感から一気に解き放たれて、一高校生に戻る瞬間がまさにあのシーンだったのではないでしょうか。

演出:小川太一

こだわったシーンはどこですか

2回戦で「怖い」と自覚する湊が、今まで漠然としていた「自分が落になった理由」にたどり着くまでの流れは、この作品として大きなターニングポイントであり、湊の早気を改善する大事な足がかりです。
ここを、どう映像にしていけるかがこの話数の演出としての一番の醍醐味でした。
そして、このシーンがどこまで深いところまで行き着けるかが「ツルネ」という作品の深みに直結するものと想いを馳せながら、緊張感をもって演出作業に当たらせてもらいました。

総作画監督:丸木宣明

こだわったシーンはどこですか

冒頭のマサさんの事故のことを聞くシーンです。
こだわった、というよりは気を遣ったというタイプなのですが、表情のコントロールが難しいシーンでした。
予期しない突然の悲報に対する彼らの反応。
知らせを伝えに来た中崎さんの申し訳なさ。
悲しい、怖い、心配、不安、動揺、どうしてよいかわからないといった感情。
仮に自分がその立場にあったなら、なかなかに苦しいと感じるこのシーン。
絵に起こして表現をするのは難しいところでしたが、演出の間の取り方や作監が入れてくれた表情も良く、いいところに上手くまとまったのではないかと思います。

第十三話 かけがえのない

脚本:横手美智子 
絵コンテ:山村卓也 
演出:太田 稔、山村卓也 
作画監督:門脇未来、池田和美、丸子達就、角田有希

全ての《出会い》はあの弦音から始まった。
「再生」した風舞高校弓道部で、立ちはだかる試練をもがきながらも乗り越え、仲間との絆を深めてきた湊たち5人。
春が過ぎ、緑が深まる初夏――辿り着いた県大会決勝。弓道によって出会い、若葉のように成長してきた彼らが手にする未来とは――。

鳴宮 湊 役:上村祐翔

こだわったシーンはどこですか

決勝戦、湊が風舞のみんなの射をひとつずつ噛み締めて語るシーンです。
大前の海斗、二的の遼平、中の静弥、四的の七緒、そして落の湊。
誰か一人欠けたら成立しなかった風舞高校弓道部。
そんな大切な仲間の名前を呼ぶときは、これまでで最も丁寧に、万感の思いを込めるようにしました。

演出:山村卓也

こだわったシーンはどこですか

桐先高校との決勝戦のシーンです。
12話で「ただ弓を引けばいいんだ」という結論を出した湊達。
湊が海斗、遼平、静弥、七緒を感じながら弓を引くシーンは特に気合を入れてコンテを描きました。
静かに試合が始まり、富貴さんの音楽、弦音、的音と共に試合がだんだんと盛り上がって湊の最後の一射に向かう流れは見ていて本当に気持ちが良いです。

シリーズ構成:横手美智子

「もがく、青春!」シーンはどこですか

県大会が終わって、愁が湊を見つめるところに、この13本のお話のすべてがこもっていると思います。
湊たち風舞は勝ったから終わりではなく、むしろこの先、より困難や迷いがあると思いますし、愁はおそらく人生で初めて実力で押し負けるという経験をしたと思いますが、きっといっそう強く美しくなるでしょう。
「これまで」が終わり、「これから」が始まるシーンです。
シナリオ担当としては、愁に一言言わせるべきかとも思いましたが、山村監督とシナリオ担当の吉野弘幸さんのご意見で、愁の表情のみで行こうということになりました。
彼らの「これから」を応援してください。