8月19日(金)、「劇場版ツルネ -はじまりの一射-」初日舞台挨拶が、新宿ピカデリーにて2回にわたり開催されました。
会場には鳴宮湊役・上村祐翔さん、滝川雅貴役・浅沼晋太郎さん、竹早静弥役・市川蒼さん、山之内遼平役・鈴木崚汰さん、如月七緒役・矢野奨吾さん、小野木海斗役・石川界人さんの6名が登壇。
風舞高校弓道部キャストがファンの前で一堂に会するのは、2019年3月に開催されたスペシャルイベント「納射の儀」以来。全国79館の映画館でもライブビューイング中継されるなか、1回目の舞台挨拶ではTVシリーズ第2期が「2023年1月より放送決定」という重大発表も ! ここでは、そんな初日舞台挨拶の模様をお届けします。
上映終了後、拍手で迎えられた6人は、公開初日ならではの緊張感も感じさせながら、それぞれに挨拶。
(上村)「今日、こうしてこの場に(キャストの)みんなで一緒に立てること、そして鳴宮湊役として皆さんの前に登壇できることを本当に楽しみにしていました。今日1日、よろしくお願いします !」
(市川)「こんなにたくさんの方に見守っていただき……、ライブビューイングでご覧になっている方々も、本日はどうぞよろしくお願いします」
(鈴木)「登壇するときに(主題歌の)『Hand』が流れて、すごく込み上げてくるものがありました」
(矢野)「今日という日を迎えられてうれしいです」
(石川)「皆さん、楽しんでいただけましたか? 天気もよく、こんないい日に公開できてうれしい限りでございます」
と、ここで、浅沼さんが挙手。
(浅沼)「皆さんがこんなにいいコメントを言うなんて思ってなくて、ぼくは『よろしくお願いします』しか言ってない(笑)。改めて……、こんな天気のいい日にですね……」
(石川)「いや、パクってる !」
(上村)「マサさん……!?」
と四方からツッコミが入り、会場も一気に柔らかな雰囲気になりました。
上村さんが「このたび、こちらを発表させていただきたいと思います」と口火を切ると、スクリーンにはTVシリーズ第2期となる「ツルネ -つながりの一射-」のキービジュアルと、「2023年1月放送決定」の文字が !
キャストからも口々に「よーし !」と歓声が上がり、客席のファンからも大きな拍手が送られました。
新ビジュアルには、鳴宮湊(CV:上村祐翔)、藤原愁(CV:小野賢章)、二階堂永亮(CV:福山潤)の3人が描かれ、2期に向けて語ろうとしたところ、
市川さんが「あれ、風舞……いない?」とつぶやくと、
石川さんが「いや、リボンになってるから大丈夫 !」とすかさずフォロー。
鈴木さんも「(リボンの色が)ちゃんとメンバーカラーですよね」と気づきます。
また、新キャラクター・二階堂永亮のキャストが福山潤さんであることもここで明かされ、「はじまりの一射」からつながっていく新しい物語に期待がふくらみました。
今回の劇場版では、アフレコを全編新規に収録しており、キャスト陣はキャラクターたちをゼロから再解釈し、収録に臨んだそう。
それぞれにTVシリーズとは異なるディレクションを受け、
(浅沼)「こんな贅沢な録り方をさせてもらえるなんて、すごくうれしいな、恵まれているなと思いました」
(上村)「完成したものを見たときに、(同じシーンでも)TVシリーズとは全然違う感情を抱いた」
(市川)「キャラクターの解像度が上がったような感覚がした」
(矢野)「リセットして演じることを難しいと感じていたなかで、上村さんから『射と同じで、マイク前でも何も考えずにやればいいんじゃないか』と声をかけられ、それから自然に演じられるようになった」
(上村)「アフレコ現場のピーンとした緊張感が、弓道場の張り詰めた感じに似ているなと思って。『射と一緒だな』という感覚がありました。収録の瞬間に、みんなの絆がぎゅっと強くなった」
(石川)「キャラクターを再解釈して演じましたが、見ていただいた皆さんには『あ、風舞高校だな』と感じていただける仕上がりになっていると思います」
と語られました。
劇場版での好きなシーンは?という質問に、挙手で答えていくことに。
(浅沼)「蓮(雅貴の兄)とか先生とか、おっさんチームでの会話。(TVシリーズに比べ)少しだけ年齢感を下げて演じたことによって、少し甘えた感じになれたというか。大人っぽいと思われているマサさんが、実はそうでもないんだというのが出た瞬間なんじゃないかなと」
(石川)「最後の湊とケンカするシーン。キャラクターの解釈の仕方が変わったことで、湊の説得の強さと、海斗の納得のスピードが変わっていて、演じていてもおもしろかったです。バチバチにやり合った感じがして、『あ ! 楽しい !』という感覚になりました」
(市川)「マサさんに八つ当たりするシーン。TVシリーズでは内に内に演じていたのですが、劇場版ではもう少しマサさんにぶつけられたというか。静弥の子供らしさも感じられて、好きなシーンです」
(鈴木)「動物です ! フウ(フクロウ)が、改めて見ると人の気持ちを理解している動きをしているんです。そういう細かい部分が本当にいっぱいある !」
(矢野)「湊のお母さんの描き方。本当に愛のある描き方で、それがあるからこそ劇場版でもスムーズに湊に感情移入ができて、お母さんがいたから今の湊が形成されているんだなと思えて、すごく好きです」
(上村)「いちばん最初の(幼少期の湊とマサさんの)シーン。『お前ら、こんなことあったんかーい !』と。『はじまってたなあ !』と思って(笑)。今回の劇場版を通して初めて知ることができたので、とても印象深いです」
また、愁が率いる桐先高校との対戦が描かれている本作。
桐先高校との対戦について
(上村)「本当にいい緊張感のなかで演じさせていただきました。愁と湊が会話しているシーンでは、ピリっと張り詰めるような厳かな空気を感じた」
(市川)「愁は的に当たったときの音がすごいですよね。強敵感が音でも際立っていました」
(鈴木)「でも、ムキになったときの愁の弦音はちょっと違いましたよ」
鈴木さんは、事前に行なわれた劇場版の試写会で、7.1chサラウンドの音響を体感したそうで、主観ですがと前置きしつつ、いっぽう、2回目の初日舞台挨拶は上映前に開催。
1回目よりはリラックスした面持ちで現れたキャスト陣は、今の心境を尋ねられ、それぞれに「率直にうれしい」と、公開初日を迎えられた喜びを表しました。
約4年ぶりの収録となったアフレコ現場での思い出を問われると、
(上村)「一致団結していいものをつくろうっていう緊張感が、絆につながった感じがあって、掛け合いをしてみると、そこでしかできない風舞高校の空気になって、『ツルネ』だな〜って懐かしさを感じました。とても楽しい収録でしたね」
(浅沼)「久しぶりでありながら、新しく作り直している感覚がすごく印象的でしたね」と語ります。
感染症対策のためアフレコブースに入れる人数制限があるため、市川さんは収録順序の関係で後からの合流に。すでに出来上がっている風舞メンバーの空気感に「どうしよう」と感じたのだとか。
浅沼さんから「寂しくなっちゃったの?」とからかわれ、「寂しくなっちゃった(笑)」と笑顔で応えつつ、「でも、みんながそのお芝居をぶつけてくれたから、自分も新しい静弥の演じ方を探ることができました」と市川さんは話してくれました。
鈴木さんは、音響監督の鶴岡(陽太)さんから「(TVシリーズのときは)ムリしてたよな」と声をかけられ、遼平という元気で天真爛漫なキャラクターを演じる際に、声色での表現に寄っていたことを改めて自覚したのだそう。
(鈴木)「ムリしてるのは全然等身大じゃないなって。だいぶ集中力をつかう収録ではありました」
矢野さんもまた、鈴木さんと同じように自身の等身大の七緒をというディレクションがあったそうで、
(矢野)「『先輩に負けてられないよな』と。『4年間積み重ねたものを発揮してほしい』と発破をかけていただきました。そこから現場の空気がピーンと張り詰めたような感じがして、ここから『はじまりの一射』が始まるんだと身が引き締まりました」
3人の姿に、恐縮です、と言いながらも、「4年前とはスタジオでの貫禄が違いますよね」と話すのは石川さん。
(石川)「『ツルネ』が始まったころは新人だった方もいたと思うんですけど、いろいろなアフレコ現場を経験して、顔つきも変わって。この人たちだったら背中を預けられるなって勝手に思って。もうすでに(アフレコ現場に)入った時点で試合感が出ていましたね」と語ってくれました。
それぞれ、演じているキャラクターに似ているところは?という質問では、
「かっこいいところ !」などお互いに言いあいながら、わきあいあいとしたトークに。
(上村)「あそこまで自分の想いをストレートに伝えられる湊は本当に素敵だし、あこがれ。今回の劇場版では湊の純粋さが際立っているなと思ったので、そういう部分を自分と重ね合わせながら演じました」
(鈴木)「コンビニに行ってカゴを持つと、とりあえず目についたものを入れちゃうので、そういう部分は(駄菓子を買いあさってしまう遼平に)似てるかな。あとは、彼のように仲間思いではありたいなとすごく思っています」
(石川)「ひとつのことに集中するストイックさみたいなところは似てるんじゃないですかね。(大きな拍手を受け)自分で言うことじゃなかったですね。怒るポイントとかは似ているかもしれないです(笑)」
(浅沼)「(マサさんには)似てないです !」と断言。
(上村)「ぼくたちからしたら本当に兄貴ですよ !」
(石川)「頼らせてもらってます ! サウナ教えてくださいよ、浅にぃ !」
(浅沼)「一緒に行こうね」
(石川)「よろしくお願いします !」と石川さんが深々と礼をするという、師弟関係がかいま見える(?)ひと幕も。
(市川)「4年前は眼鏡をかけていたのですが、ICLという視力矯正の手術をしたので、眼鏡をかけなくなり、共通点がなくなってしまいました」
(矢野)「すげえいい奴だよ !」
これには会場からも拍手が起きましたが、
(鈴木)「静弥と違って、(という意味)にも聞こえる(笑)」と、共通点としては不採用。静弥との共通点は、浅沼さんから出た「穏やか」に落ち着きました。
(矢野)「自分ではわからないところがたくさんある」と切り出すと、すかさず周りのキャストから「ピンクが似合う !」「挨拶ギャグをもっている !」などが挙がります。
矢野さんも「『メッハー』(七緒の挨拶)はギャグじゃない !」とツッコミながら、市川さんが「気さくですよね。奨吾さんからは、誰に対しても分け隔てのなさを感じます !」と言うと、キャスト陣もうなずき、矢野さんが照れくさそうに「以上です !(笑)」と締めくくりました。
続いて、これからご覧になる方への見どころは?という質問に。
(上村)「TVシリーズで描かれたシーンも出てきますが、音楽の入り方や、お芝居もゼロベースからつくらせていただいているので、やっぱり印象が違いますね。『これは劇場版ならではのものだな』と感じていただける部分がけっこうあるんじゃないかなと思います」
(鈴木)「7.1chでの部室での音のこもり方や、お好み焼きの焼ける音、それこそ『ツルネ』という弓道の作品なので各々の弦音とか、そういうところが細かく表現されているので、ぜひ耳を澄ませて聴いていただきたいです」
(浅沼)「見どころもですが、そうした聴きどころもあります !」
(矢野)「しゃべってないときの、それだけですごく感情が伝わる繊細な表情。矢を放ったあとの矢のアングルも期待して見ていただきたいです」
(市川)「瞳の揺れ動きとか、臨場感がすごいですよね」
ネタバレをせずに作品の見どころを伝えるというこの質問の“落(おち)”を(石川)「やっぱり僕達のお芝居じゃないですかね? 本当にアフレコ大変だったんだから ! 本当に気合いを入れてやりましたので、各々の掛け合いのところも聞いていただけたらうれしいなと思います !」と言い切ると、大きな拍手とともにキャスト陣からも「よーし !」のかけ声が上がりました。
2回目の舞台挨拶でも、改めて第2期の放送が発表。
1回目の舞台挨拶のあと、「ツルネ2期」がTwitterのトレンドに上がり、キャスト陣も感謝の言葉を伝えます。
新ビジュアルには「全国大会」の文字が書かれており、『つながりの一射』の展開に想いを馳せつつも、「まずは『はじまりの一射』を見てください !」と石川さんが結びました。
初日舞台挨拶もいよいよ終盤へ。
最後はひとりひとりが想いを語り、2回にわたる初日舞台挨拶に幕を下ろしました。
(石川)「見ていただいたあと、たくさん語れることがあると思いますし、また皆さんと『ツルネ』の魅力について語らう機会もあると思います。ぜひその際も足を運んでいただいて、今後もどんどん展開してまいります『ツルネ』を一緒に楽しんでいただけたらうれしいです。今後ともよろしくお願いいたします !」
(矢野)「ぼくたちも熱意ややる気に満ち満ちてスタジオに入ったのですが、スタッフの皆さんも本当にすごい情熱をもって制作されていて、その愛を受けて収録させていただきました。それが存分に伝わる内容になっていると思いますので、ひとりひとり好きな楽しみ方で、『ツルネ』という世界に没入していただきたいと思います」
(鈴木)「『ツルネ』を応援してくださっている方々は、続きが見られることをすごく楽しみに待っていらっしゃったかと思うんですけど、それ以上に、われわれキャスト陣も演じることをすごく楽しみにしていました。TVシリーズから今に至るまでいろいろなことがありましたが、それを乗り越えて、『ツルネ』チーム一丸となってすばらしい作品をつくり上げてきたと思っています。上映を何卒お楽しみに !」
(市川)「今、ここには『はじまりの一射』を楽しみにしている方しかいないと思います。ぼくたちも本日公開ということで、皆さんとお会いできるのを楽しみにしてきました。1月からは『つながりの一射』も控え、まだまだ楽しみなことが盛りだくさんです。彼らにそれぞれの弦音があるように、皆さんもそれぞれの〈はじまりのツルネ〉を探していただけたらと思います」
(浅沼)「この不安定な情勢のなかで、この美しくて繊細な作品をお届けできること、新しくワクワクするようなニュースをお届けできること、本当に幸せです。とりあえずはこれから上映される『はじまりの一射』をリラックスして観ていただいて、そして願わくば皆様の心に皆中する作品でありますようにと祈っております。これからも『ツルネ』そして風舞高校をよろしくお願いします」
(上村)「ぼくはこの作品の主人公・湊としてここに立てていること、このチームの一員であることを本当に誇りに思っています。手応えは正直、めちゃくちゃあります ! そのくらいに思えるほどに、今回のフィルムはすばらしいものになったと思っていますので、皆さんに『ツルネ』の世界をどっぷり楽しんでいただけたらいいなあと思います。こうして4年ぶりに集結して掛け合いをさせていただいて、さらに続く第2期もあって……、もう楽しみでしかありません。これからもツルネの応援をどうぞよろしくお願いいたします !」